1.組み立て前のコダワリポイント

  ちょっとしたコダワリ

どんなにキレイに掃除しても、本体の金属的な腐食は取れませんよね。
ということで、少しだけきれいに見えるように、今回は各キャブレーターの連結シャフトをキレイにしてみましょう。 これだけでも見た目は大分違いますよ!

まず、次のものを用意します。

@電動ドリル(安物で大丈夫です)
Aドリルビットセット
Bサランラップ
C#2000の耐水サンドペーパー
D#9000のリキッドコンパウンド

シャフトの内径より少し小さなドリルをセットしてサランラップをまいてシャフトをセットします

シャフト

・・・で、台所で耐水サンドペーパーを水で流しながらかけます。
ものの10秒ほどでピンピカピンになります♪

シャフト

んで、#9000のリキッドコンパウンド&タオルで鏡面仕上げ!!

シャフト

たったこれだけなんですけどね・・・。
でも、これだけで組み上げた時に違いがでます。
今度はサンドブラストに挑戦ですね。
金が無かったので次回のオーバーホールの時にして見ます。




2.組み立て

  @キャブの連結

最初にばらばらにしたキャブレーターを連結します。ここで重要なのが、スロットルシャフトベアリングへの注油です。 No.1で記載したとおり、ワコーズの耐ガソリンフッ素スプレーを使用します。
これが例のスロットルシャフトベアリングです。一番・三番キャブについています。

シャフト

まずスロットルシャフトを2番キャブに連結します。
この時トーションコイルスプリングにかませるカラーと、二番キャブだけに付く丸平ワッシャーを忘れずに!
各キャブの連結時はリンクアームcompも貫通するように取り付けます。

スロットルシャフト

加速ポンプユニットを取り付けます。ここでもカラーの位置、トーションコイルスプリングの取り付け方に注意します。

加速ポンプ

二番・三番キャブを連結します。

連結

同じように一番・四番キャブも連結します。この時、図のゴムパイプを取り付けるのを忘れないように注意します。 今回は純正の黒のパイプが劣化していたので、ホームセンターで耐油・耐寒ホースを購入し、ちょうどいい長さにカットして使用しました。また、連結前にゴムホースの中にフッ素スプレーで潤滑しておくといいでしょう。 最後に左右から三本ずつのボルトで固定します。

連結

  Aフロートチャンバーの組み立て

スロージェット、メインジェットを取り付けます。パイロットスクリューは図のように組んでから取り付けます。
分解時に記録していた回転数にあわせて組み付けます。私の場合は2〜2・1/4回転だったので、2回転戻しに統一します。
一度、全部締めこんで、それから2回転緩めます。

パイロットスクリュー

次にフロートを取り付けます。取り付け前にもう一度、フロートバルブにごみが付いていないか確認します。
組み付けたら、図のような角度にキャブを傾け、油面調整に入ります。
図の本体からフロート底面部までの高さを9mm±1mmに調整します。
ちなみに、このキャブの角度カナリ重要です。完全にひっくり返すと、フロートが沈み込んでしまい、正確な油面を計れません。

正立状態から少しずつ傾けていくと、フロートが自然に止まる位置があるので、そこで計りましょう。
つまり、バルブが閉まる位置を調整するということです。

油面調整

油面調整はフロートのリップ部分を曲げて行います。少し曲げただけでも油面は大きく変化しますので、少しずつ調整しましょう。

フロート

最後にフロートチャンバーを取り付けます。この時パッキンも交換しましょう。
FCRのフロートチャンバーを取り付ける作業、実は意外な難関なのです。
なぜなら4つフロートチャンバーはゴムホースによって連結されていて、一気に取り付けなければなりません。
そして、FCRのパッキンは新品なら寸法どおりで比較的容易に取り付けられます。
しかし、パッキンを再使用するときはこのパッキン、少しだけ縮んだり、膨張したりしてます。
しかも、パッキン自体が細いので、チャンバーの溝にしっかり固定することが出来ず、そのまま組み付けるとパッキンの噛み込みを起こし、漏れの原因等になってしまいます。こんな時は迷わず液体ガスケットなどを使用し、パッキンを固定してから組み立てましょう。
写真のようにまず加速ポンプのピンをはめて、一つずつ確実に取り付けましょう。

  Bトップ部の組み立て

まず、スロットルバルブを取り付けます。写真のようにリンクアームに通します。

トップ

後は同調ナットとジェットニードルを取り付け、ニードルセットスクリューを交換したものを取り付けます。
トップキャップのパッキンを交換し、取り付けたらトップ部の組み立てはオワリです。

  Cエアジェット類の取り付け

メインエアジェット、スローエアジェットを取り付けます。
スローエアジェットの回転数は1・1/8回転でした。

エアジェット

ファンネル部分を取り付けます。ここはばらす時も取り付けるときもボールポイントが必要です

ファンネル

オーバーホールが終わったキャブレーターと清掃したフィルター。
フィルターの清掃は必ずK&Nのメンテナンスキットを使用しましょう

ファンネル




3.車体への搭載

さて、やっとFCR本体のオーバーホールが完了しましたね。慣れたらバラすのに一時間、洗浄に二時間といったところでしょうか。。。写真を撮りながら、休憩しながらで6時間近くかかってしまいました(汗)搭載する前にやっておかなくてはならないことがあります。インシュレーターをZZ-R400用に交換しておきます。

インシュレーター

ついでに、キャブレーターヒートガードも新調します。これもそのまま取り付けても問題はありませんが、私は裏側にKITAKOなどから販売されている断熱材(粘着テープ付き)を裏に貼り付けました。ヒートガードはyahooオークションで2500円、断熱材は980円でした。。。

ヒートガード

ここまできたら、ついに搭載です。
バラした全く逆の手順で搭載します。スロットルワイヤーの取り付け位置に気をつけましょう。 忘れた方は、No.1を参照してくださいね!

完了!

ちなみに、皆さんはオーバーフローを経験したことはございませんか??
オーバーホールをする時にフロートチャンバーの底面を確認してみてください。
もし、埃などが堆積しているときなんかは要注意!!
オーバーフローの原因の多くは、ガソリンタンク中のカスのフロートバルブへの噛み込みです。
ガソリンコックにもストレーナーがついてはいますが、気休め程度のものです。
やはり、フューエルラインのどこかにフィルターをつけるのが一番です。
この時、安価なフィルターは避けましょう。
FCRはけっこうなガソリン食いのキャブなので、安価な、流量の少ないフィルターでは高負荷走行時(高速など)や加速ポンプを多用する時(峠)などは、ガソリンの供給量の不足により、イキツキを起こして、ガス欠のような症状を起こしてしまいます。
私はKITAKO(だったかな??)のちょっと高めな多流量の、メンテナンス可能なタイプをチョイスしました。

フィルター




さて、全ての工程が完了いたしました。。。。。といいたいところですが、まだ終わっていません。
オーバーホール後には必ず同調という作業をしなくてはなりません。
今度は同調とセッティングのページでお会いしましょう!!




KEIHIN FCR OH No.1
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