1.ブレーキAssyの取り外し

ブレーキのOHでは特別難しい作業は無いのですが、手順を間違うとかなり手間がかかってしまうので、手順はある程度守ったほうが時間も短縮できます。ここは流れでザザっとやってしまったので、写真を撮ってませんので簡単に解説します。また、私のZRX400にはZXR400の足回りを搭載しているので、ZXR400(J2型)のブレーキのOHとなり、交換部品番号なども、それに準じます。

車体からキャリパーを外す時の手順

フロントブレーキ

@キャリパーのボルトを緩める

まずはブレーキフルードを抜くのが先決!と思いがちですが、対向4POTキャリパーのボルトは硬く締まっているので、車体についている段階でM8×40のボルト(片側4本)を緩めておきます。緩めるといっても緩んだらすぐに締め込んで下さい。緩めっぱなしだったらフルードがもれてしまいます。ここでの目的はボルトの固着をとって、あとの全バラのときにスムーズにばらせるようにするためです。車体から外すと力をかけにくいので忘れずに!

Aキャリパーを車体から外す。

ブレーキホースは取り外さずに、キャリパーを固定しているM10のボルトを取り外します。この時点でブレーキパットも同時に外しておきます。クリップを外すとシャフトもはずれ、板バネもはずれます。するとブレーキパッドも取れるようになっています。

Bピストンを出しておく。

ブレーキパッドを取り外してしまったら、次はピストンをある程度出します。ブレーキレパーを握るとニュ〜っとピストンが出てきます。 この時、4つのピストンがちゃんと出ていることを確認します。均等とまでは言いませんが、ある程度均等に出ていないと、あとでピストンを取り外す時に苦労します。ここでの注意は全て出し切らないことです。ブレーキレバーを何度も握ると、最終的にピストンはポロっととれてしまいますが、同時に大量のブレーキフルードも出てきてしまいます。これがホイールなんかにかかった日には最悪です。

エアコンプレッサーなどを持っているならば、この作業は後からでも出来ます。私はコンプレッサーがあったので、取り外してしまってからエアで飛ばしました。

Cブレーキフルードを抜く。

完全に抜くことは構造上不可能なので、分解の時のためにある程度ブレーキフルードを抜いておきましょう。まずブリーザ(ドレン)に4Φのホースを取り付け、行き先をペットボトルなどに突っ込みます。マスターシリンダーの蓋も開けておけば逆流しません。そして、ブレーキレバーを何度も握るとブレーキフルードがペットボトルに抜けていきます。キャリパーから出てくるフルードにエアがかみ始めたらほぼ抜けたと思ってください。

Dバンジョーボルトを外す。

最後にバンジョーボルトを外し、完了です。

2.キャリパーの分解

フロントブレーキ

先ほど緩めておいたM8×40のボルトを外し、対向4POTキャリパーを分解します。分解した後洗浄した状態です。分解したキャリパーの間にはパッキンが片方2枚ずつ入っているので、交換します。それにしてもさすが15年選手。腐食は思ったより酷いですね・・・。洗浄にはサンエスという粉末洗剤を使用しました。詳しくは↓3で解説します。

3.各部品の洗浄

フロントブレーキ

各部品を水を張った鍋の中に入れてサンエスという洗浄剤を入れます。。そして30分ほど弱火で煮込みます。その後、各部品を歯ブラシなどで傷をつけないように水洗いします。このサンエスという洗剤、カナリ効果的に汚れを落とせます。腐食性も皆無に等しく、熱にさえ気をつければゴム製品にも使用できます。

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4.キャリパーの塗装
フロントブレーキ

ブレーキキャリパーとは高熱になる部分で、しかも大変汚れやすいです。
間違いなくブレーキクリーナーなどに侵されやすい普通のラッカー塗料は使えません。今回使用したのは関西ペイントの2液性ウレタンペイント。以前に車の全塗装の時に余ったものです。4gで9500円と安価であり、耐ガソリン性もあり、耐久性も抜群です。塗装するにはエアコンプレッサーとスプレーガンが必要ではあるますが、光沢も抜群で、一度経験すると缶スプレー塗装なんてやる気さえ起きなくなるかもしれません。素人でもコツを得ればカナリの完成度に持っていけるのがこの塗料の魅力。

塗料剥離剤(ホームセンターで1000円位)で塗膜をはがし、直喩ワイヤーブラシで磨いておきます。上記の塗料に希釈剤を8:2の割合で混合し、硬化剤を少量加えます。そして、ムラを出ないように、一回目はほんのり色付くくらいに、二回目は全体的に黒く染まるくらいに、三回目は厚く光沢が出るように塗り重ねます。こうすることによって、足つきも良くなり、耐久性も向上します。

5.消耗品の交換

フロントブレーキ

今回交換したのは・・・

部品番号 部品名 単価 数量 合計 備考
43049-1068 パッキング \370 8 \2960 ZXR400用フロント
43049-1092 パッキング \370 8 \2960 ZXR400用フロント
43049-1004 パッキング \210 4 \840 ZXR400用フロント
43049-1097 パッキング,ピストン,シール \389 1 \389 ZRX400用リア
43006-1212 ブーツ \861 1 \861 ZRX400用リア
43057-003 キャップ(ブリーザ) \170 2 \340 ZXR400用フロント

ここで注意しなければならないのが、私のバイクは90年式のZXR400Rのフロント一式を使用しているということ。
ZXR400Rは年式によってブレーキキャリパーの形状が異なるので注意しなければなりません。特にヤフオクなどで購入した場合、それが何年式であるのか出品者も分かっていないことが多いようです。俗に言われる前期・後期の判別は容易なのですが、前期の中にも二種類存在します。前期にはH1/J1とJ2の2種類が存在し、キャリパーの見た目は変わりませんが、ピストンが1pc式(J2)と2pc式(H1/J1)に別れているようです。
後期と呼ばれるM1〜の機種はピストンの形状から異なるのでパーツの流用は出来ません。J1/H1とJ2はピストンの形状が異なるだけで外径は同じで、部品番号も同じなので、ピストンシールは前期型のものを使用します。

リアキャリパーはZRX400のものを使用しています。ZRX400のリアキャリパー前年式共通なので間違えることはありませんね。パーツカタログ上部品番号は異なりますが、同じものです。

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