2008.07.19〜
フロントフォークを取り外す手順
@各ボルトを緩める
ジャッキアップする前に各ボルトを緩めておきます。
写真の三又のボルト、アクスルクランプボルト、アクスルを緩めます。
また、フロントフェンダー、ブレーキキャリパーを取り外しておきます。 今回はステムベアリングの点検もしたいのでヘッドライト一式、ハンドルも外します。
ここでフロントフォークのトッププラグを緩めておかなければなりません。 まずトップブリッジ側のフロントフォーククランプボルトだけを緩め、トッププラグを緩めます。 その後下側のフロントフォーククランプボルトを緩めましょう。 トップブリッジ側のクランプボルトを緩めずにトッププラグを緩めようとしても、緩まないか、カナリの力が要ります。 クランプボルトを緩めておけばスルッと緩みます。 また下側のクランプボルトまで緩めてしまうとアウターチューブも空転してしまう可能性があり、 その場合、少なからずアウターチューブにキズが入るので注意しましょう。
Aマフラーを取り外す
私の使用しているタイプのバイクジャッキを使用する場合、マフラーを取り外さなくてはいけません。 今回はフロントフォークをバラした後、アウターチューブを外注でアルマイトをかけるため長期間リフトアップしておかなければならないので安定感を重視し、このタイプのバイクジャッキを選びました。 短期間のリフトアップの場合、片側をこのジャッキで上げて、もう片側を車用のジャッキなどで上げる方法を取っています。 こういったホイールを取り外すメンテナンスをする場合、なるべく安定感を重視しましょう。 ミドルクラス以上のバイクは一度こかすと、1人では立て直せません。
Bジャッキアップ
ジャッキアップポイントは一箇所しかないので、分かりやすいですね。こういうときはダブルクレードルフレームは便利ですね。 安定感も抜群で、安心して作業することが出来ます。 ちなみにこういったメンテナンスをする場合、油圧式のジャッキはやめたほうがよいでしょう。 長期間放置すると、少しずつ油圧が抜けていつの間にか倒れていたという事態になりかねません。
Cホイールを取り外します
アクスルを抜いて、ホイールを取り外します。この時、ホイールを軽く持ち上げるようにして楽にアクスルが抜けます。 あまり、強引に抜かないようにしましょう。シャフトやベアリングになるべくキズが入らないようにしましょう。
Dフロントフォークを外します
ここでは出来るだけフロントフォークをフリーな状態にして抜き取る際の傷を軽減するために、 全てのクランプボルトを取り外します。そして、浸透潤滑油(5-56)等を塗布して、暫く待ちます。 アウターチューブを左右に捻りながらフロントフォークを抜き取ります。
A〜Dの工程を終えた状態
トッププラグの取り外し
T.アクスルホルダをバイスに固定します。この時、アクスルホルダにキズが入らないようにウエスをかませます。
U.フロントフォークのトッププラグを緩め、アウターチューブとトッププラグを分離します。
V.アウターチューブをアクスルホルダ側にできるだけずらします。
W.@トッププラグを固定しているAナットを緩めます。
さて、ここで特殊工具、フォークスプリングコンプレッサーを使用しますが、
手違いで、ZXR400用ではないモノを購入してしまったため、作業しにくかったです(汗)
ZXR400専用は[57001-1315]です!間違えないようにしましょう!
分解時の写真を撮り忘れたので、組み上げ時の写真ですが・・・。
この写真の穴(B)に、特殊工具をかませて下に押し下げます。カナリの力が必要なので二人でやったほうが確実です。 1人でもできないことはありませんが、無駄に傷つけたり、破損の原因になりかねないので、可能な限り二人で行いましょう。
すると写真のように六角ボルトが姿を見せますので、その下にホントだったらフォークスプリングストッパ(57001-1316)をすかさず挿入します。今回は違う車種のフォークスプリングコンプレッサーを使用しますので、形状的にそのまま使用します。
フォークスプリングコンプレッサーでメインスプリングを押し下げながら、モンキーレンチでトッププラグを固定して、六角ナットを緩めます。六角ナットが緩んだら、トッププラグを外し、そのまま六角ナットを外し、スプリングコンプレッサーをゆっくり外します。
アウタチューブとインナチューブの分離
次にアウターチューブとインナーチューブを分離します。
まず写真のようにアウターチューブからダストブーツを外します。
細いマイナスドライバーなどでこじってやると簡単に取れます。
写真では見えてませんが、ダストブーツを取り外すと中に写真のようなスナップリングがありますのでそれも取り外します。
引き抜くと次の写真のようにオイルシール類はインナーチューブ側に残り、アウターチューブには何も残りません。
この状態でフォークを逆さまにし暫く放置し、中のフォークオイルをできるだけ抜きます。この時、逆さまにした状態でピストンロッドを数回ストロークさせ中のオイルも抜いてしまいます。中のオイルが抜けてくると、ピストンロッドの抵抗がなくなってくるので、その状態になるまでストロークさせます。
↑抜いたフォークオイル。写真ではさほど汚れているようには見えないが、ヘドロ状のオイルが底に沈殿しています。
アウターチューブのアルマイト
アウターチューブをインナーチューブから取り外す際、インナーチューブ側にオイルシール等が残るため、取り外した段階で、アウターチューブには何もついてない状態になっています。今回はアウターチューブをアルマイト処理するため、念入りに脱脂して業者に発注します。今回はyahooオークションでアルマイト処理を出品している業者に発注しました。アウターチューブ一本あたり4,000円、二本で8,000円かかりますが、仕上がりは最高です。しかも、「こんなのにしたい!!」っていうイメージの写真があれば、忠実に再現してもらえます。私はリアにクァンタムのサスを入れる予定だったので、その色で発注しました。
どうです??この仕上がり。届いた時は感動でした。
下地に腐食がなくてよかったです。新品同様のアウターチューブを目にしてその美しさに目を奪われました。
アクスルシャフトの塗装
アクスルシャフトは元々シルバーだったのですが、アウターチューブの美しさを強調したいがためにブラックに塗装することにしました。ブレーキ周りなのでブレーキクリーナーの使用を前提にして、2液性ウレタンペイントを使用しました。
まずはペイント剥離剤で、元の塗装をはがします。剥離した後が下の状態。 腐食が酷かったので、電動ドリル用の鉄製のブラシで表面を研磨していきます。うまくやれば下地処理も出来ます。
表面を研磨したのが下の写真。ホントはプラサフを塗布したほうがよかったのですが、前回のキャリパーOHでプラサフをしなくてもソコソコの強度を保てることが確認できたのでそのまま塗装します。
いつものごとく最初は極薄く色が乗る程度にエアガンで塗装します。
約10分ほど置いてシンナーが飛び、初期硬化していることを確認して本塗りに移ります。 今回は艶がしっかり出来るくらいに塗り重ねます。
塗装工程の全景。
三又のバフ仕上げ
三又も腐食が進んでいたので、アウターチューブをアルマイトに出している間に磨き上げることにしました。
しかし、手元にピカール(金属研磨剤・ホームセンターで数百円程度)しかもっていなかったので、
電動ドリル+ワイヤーブラシで腐食を除去
↓
320番〜1000番のサンドペーパーで磨く
↓
電動ドリル+フェルトバフ+ピカール
という工程で磨き上げます。
この工程ではハッキリ言いますと、鏡面仕上げにはなりません。
かなりクスミのある仕上がりになってしまいます。
鏡面仕上げを目指すなら、専用のバフ仕上げ研磨剤セットを使用します。
現在はyahooオークションなどでも良く見かけるようになりましたので検索してみましょう
大体セットで\3,800〜\5,000程度だと思います。
多少高めではありますが、時間短縮と仕上がりで大差がつきます。
次回使用して、またレポートしたいと思います。
この手順で磨くとこんなカンジに仕上がります。